都会は治安が悪いのかどうか

地方から東京に出る際、気になるのが「治安」です。世の中の悪いニュースを見たり聞いたりしていると、各事件の発生地点が「東京」であることがとても多いように感じます。

そのおかげで「都会は恐いところだ」というイメージがどうしても拭えなくなってしまうかもしれません。都会は恐いところ、東京は治安が悪いところ、のびのびとした田舎は安全で、安心して暮らせるという「妄信」を抱いてしまっている人も多いのではないでしょうか。

ただ、それは「誤解」です。

たしかに、「都会」には危険があります。それは「危険な場所がある」ということです。ただ、都会に暮らすすべての人が危険であるわけではないということです。もしもそのように暮らす人のすべてが他人に対して害をなすような人であれば、その土地は「都市」としては崩壊していることになります。ですが、実際にはそうではないのです。

東京にはたくさんの人が住んでいます。たくさんの人が住んでいて、それぞれ自分の意志、独立した思考、自分の生活を持っているものです。その中には本当に「悪い人」もいることでしょう。街ですれ違っただけでは、一見しただけでは、その人が悪人か善人かなどは見分けがつきません。だからこそ都会では「用心」する必要があるのです。

日本は世界的に見れば治安の良い国だといわれています。個人が銃を持つことは出来ず、暴動が起きるような思想、宗教に基づくような係争もありません。個人の生活が積み重なっていて、その個人が、人それぞれがどれだけ豊かに暮らすことができるのかということが私たちの課題であり命題でもあるのです。そのような人が「暮らす」ということを考えることができる国、自分の未来を自分でイメージして、その目標に向かって邁進することができる国が「日本」なのです。

ですが、中には悪い人も一定の確率で存在しています。たくさんの人がいればたくさんの考え方があって、それぞれの考え方がすれ違うこともあるでしょう。それがトラブルに発展することもあります。

つまり、「人が多い」から、それだけ「悪い人」や「トラブル」が存在するのです。それは「東京だから」というわけではありません。どこにいても、一定数の人がいれば犯罪、トラブルは発生するものなのです。それが「現実」です。ですが、東京の街を歩くすべての人が悪人ではありません。東京を歩くすべての人が他人に害をなすわけではありません。田舎でよくみかけるチンピラよりも、都会の方が「紳士的」であり、また他人に対して「淡白」であると感じます。

東京は危険なところだ、という思い込みは、本当にただの思いこみです。本当は人の目が多い分安全なこともあります。ただ、人が多いがゆえにトラブルも発生しやすい、事故も発生しやすいというだけなのです。もちろん、田舎のようにゆったりした毎日を都会で過ごすことはできないかもしれません。都会に暮らせば、それが実感としてわかることでしょう。